5*空を仰ぐ |
遥か、 気持ちを仰ぐかのようにソラに問う。 苦しい苦しいと息づきながら、何が苦しいのかさえも判っていなかった。 あああ、苦しい! あああ、苦しい! あああ、な ん で こんな 苦しいの。 ? わけもたまらず空を仰げば、アタシを見下ろす空の重さといったらなかった。 アタシを押し潰さんばかりに、舐めるように続く空の下で、 生きることに窮しながら、自分を含めた人間を愛することに疲れ果てながら、 それでも何処かに希望があるんじゃないか、愛せるのじゃないか、と。 絶望のままに生き抜くことも出来ずに。 希望を持たざるを得ない弱いアタシは、空を仰ぐ。 |
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